JULY-AUGUST 2014 Summer Festivals 2014 Part 2
ラ・ロックダンテロン(南フランス)
パリに戻ると、早速スペインから、ピアニストのルイス・フェルナンド・ペレスが 到着。
プロヴァンスの奥座敷とよばれるラ・ロックダンテロン音楽祭で弾く「2台のピアノのプログラム」の練習開始です。この音楽祭は、「ピアノのメッカ」とよばれ、世界中からピアニストが集まる大きな野外コンサート。
練習は、エアコン取り付け不可能なパリの我が家で。ゆで蛸になりながらふたり、
アイスクリームとコカコーラで乗りきりました。
さすが、カルメンと闘牛の国からきたルイス。本番になると、その血の燃えたぎる情熱が登場!
夕方になると、蝉や鳥の声もまじり、自然と一体となって音楽が流れ、
夏休みですっかりリラックスしたお客様も音楽を楽しむ
ポミエー音楽祭
その数日後は若手音楽家、ラ・マルカ兄弟が主催するリヨンの近くの小さな村の修道院で、「音楽を楽しむ週末」。10世紀に建った古い壁に響くモーツァルトやベートーヴェンを楽しみ、夜は、その地方で作られたワインと食事を皆で楽しむのです。
アーティストの送迎から切符の手配まで、兄弟のファミリーや友人が受け持っての手作り音楽祭。
エアコンがないため湿気も多く、本番中にヴィオラの弦がプチンと切れてしまい演奏中断。
こういうハプニングも全て含め、お客様は楽しんでいたようです。
サンフランシスコ
姉の麻里と主人のケント・ナガノの家はここにあるのですが、留守にすることが多いので…と、普段お世話になってるご近所さんへの感謝の気持ちから始めたのが、この音楽祭です。
音楽の都ウイーンからウィーン・フィルのメンバーを集め、近くのクラブ・ハウスで「音楽の贈り物」(音楽祭)を主催しています。当初一回きりのつもりだったのですが、皆さんのリクエストでリピート。なんと今年で8回目を迎えました。
それからは、ヨーロッパのあちこちから集まった友人の音楽家達が、ホスト・
ファミリーを引き受けてくださるご近所のお宅に泊まり、毎日、毎日ちがったお家で素晴らしいランチとディナーをご馳走になりながら、3日間好きなだけリハーサルをするのです。
そして、いざ、コンサートの週。 今年のテーマは、「バイオリンの詩人」。
ベテランのチョーリャン・リン、ドイツの希望の星ベロニカ・エベルレ、エリザベート・コンクール優勝ホヤホヤのロシアのバラノフ、アメリカの才能あふれるケネス君、ベルリン・フィルのコントラバス奏者ディクソンさん、日本からは、ハイフェッツの愛弟子だった亀井由紀子さん、そしてチェロのハイモビツによる、素晴らしいコンサートが4日間にわたり繰り広げられました。
素晴らしい音楽家たち、地域の心暖まるボランティア・ケア、姉の行動力が見事に調和して、今年の音楽祭も大成功のうちに幕を閉じました。
そして、今年は姪のカリンも初めて本格的に参加。母 麻里との連弾やデビューCDにも収録されているモーツァルトのコンチェルトを演奏。
私の大好きな、素晴らしいバイオリニスト、チョーリャン・リンと。
モーツアルト、ラヴェルを演奏させていただいたあとで
そのあと
とはいえ…やはり、新しいシーズンが始まる前には少し休暇が必要。
数日サンフランシスコに残り、ピアノを離れて街を観光や、姉が案内してくれた
美味しいステーキなどを楽しみました。
海岸を歩きながら夏を振り返り、ゆとりのある夏休みシーズンに、好きな音楽仲間と集まって自然の流れのなかで音楽する楽しさを改めて考えながら、ふと思うのです。
演奏する立場からも聴く立場からも、こういう時間は、とても特別で意義深い体験。
日本ならではの、夏の室内楽音楽祭も、きっと美しい自然の中で、色々な可能性があって、素敵でしょうね。
是非、近いどこかで独自の音楽祭を実現してみたいと願っています…
音楽祭のショット
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