I wish you from my heart a very inspired New Year!
At the beginning of each year, there are always new things which I plan to do.
This year, I decided to start writing a very simple diary – mon « petit journal » – to share with you the wonderful things I experienced through music… and all things arround music which are equally important.
Momo Kodama
To my Japanese friends:
明けましておめでとうございます。
皆様にとって、新しい一年がひらめきに満ちた年でありますよう、心からお祈り 申し上げます。
一年のスタートにはいつでも、「今年こそ!」と思うことが沢山ありますが、今 年はその中から、簡単な"お便り"を始めさせていただくことにしました。
色々な場所で体験したこと、思ったことなどを、この場で皆さんにお伝えできれ ばと思っています!
児玉桃
外国育ちの姉と私に、母が「日本の伝統を伝えなくては」と、お正月にはいつもおせ ちとお雑煮を作ってくれます。
As my sister and I grew up in Europe, on New Year day, our mother would cook the traditional Japanese dishes to preserve our tradition.
Here are some examples of foods used in preparing Osechi-ryōri (御節料理 or お節料理), traditional Japanese New Year dishes:
Zōni (雑煮), a soup of mochi rice cakes in broth. First thing to eat on New Year day.
Konbu (昆布), seaweed – symbolizes joy
Gobō (牛蒡 or ゴボウ), burdock root – longevity
Kuro-mame (黒豆), black soy beans – health
Kazunoko (数の子), herring roe – fertility
Tazukuri (田作り), dried anchovies – abundant harvest
Each dish has its meaning-this is how 2013 started !
あっという間に夏も過ぎ、気がつけば、この「ジュルナル」もすっかりご無沙汰しました。 皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
音楽家にとって、正式な音楽シーズンは6月で終わり。7月から、「夏の音楽祭」の シーズンに入ります。
今年の夏は、東京で始まり、ヨーロッパに移って、アメリカで締めました。
ミューザ川崎
まずは、ミューザ川崎の夏のカーニバル。
プログラムは、秋山和慶先生指揮で、東京交響楽団とサン=サーンスの「動物の謝肉祭」。
谷川俊太郎先生のウイットに富んだナレーションで、姪のカリン・K・ナガノと2台の ピアノで参加しました。
…なんといっても、大勢の子供たちが聴いているときの嬉しそうな表情が印象的!
一緒に体を揺らしたり、指揮してみたり…小さい時に生の音楽を聴くことは、大人に なった時の感受性に絶大な影響があると信じている私には、とても感動的でした。
マエストロ秋山、谷川先生、カリンと。カリンは、これが日本デビュー。 沢山の親友や家族が駆けつけてくれて楽しい思い出になったようです。
神 戸
数日後、神戸で大阪フィルハーモニー交響楽団、準・メルクル指揮とサン=サーンスの 協奏曲を演奏させていただき、その夜の羽田発でドイツの保養地、バート・キシンゲンへ。
バート・キシンゲン(ドイツ)
ここは、沢山の温泉のまんなかにあるコンサートホールや教会で、3週間にわたる音楽祭が行われています。お客様の平均年齢はかなり高いですが、演奏のあとの、「ブラボー」は、若い人に負けないほどパワフル!
バート・キシンゲン
ラ・ロックダンテロン(南フランス)
パリに戻ると、早速スペインから、ピアニストのルイス・フェルナンド・ペレスが 到着。
プロヴァンスの奥座敷とよばれるラ・ロックダンテロン音楽祭で弾く「2台のピアノのプログラム」の練習開始です。この音楽祭は、「ピアノのメッカ」とよばれ、世界中からピアニストが集まる大きな野外コンサート。
練習は、エアコン取り付け不可能なパリの我が家で。ゆで蛸になりながらふたり、
アイスクリームとコカコーラで乗りきりました。
さすが、カルメンと闘牛の国からきたルイス。本番になると、その血の燃えたぎる情熱が登場!
夕方になると、蝉や鳥の声もまじり、自然と一体となって音楽が流れ、
夏休みですっかりリラックスしたお客様も音楽を楽しむ
ポミエー音楽祭
その数日後は若手音楽家、ラ・マルカ兄弟が主催するリヨンの近くの小さな村の修道院で、「音楽を楽しむ週末」。10世紀に建った古い壁に響くモーツァルトやベートーヴェンを楽しみ、夜は、その地方で作られたワインと食事を皆で楽しむのです。
アーティストの送迎から切符の手配まで、兄弟のファミリーや友人が受け持っての手作り音楽祭。
エアコンがないため湿気も多く、本番中にヴィオラの弦がプチンと切れてしまい演奏中断。
こういうハプニングも全て含め、お客様は楽しんでいたようです。
サンフランシスコ
姉の麻里と主人のケント・ナガノの家はここにあるのですが、留守にすることが多いので…と、普段お世話になってるご近所さんへの感謝の気持ちから始めたのが、この音楽祭です。
音楽の都ウイーンからウィーン・フィルのメンバーを集め、近くのクラブ・ハウスで「音楽の贈り物」(音楽祭)を主催しています。当初一回きりのつもりだったのですが、皆さんのリクエストでリピート。なんと今年で8回目を迎えました。
それからは、ヨーロッパのあちこちから集まった友人の音楽家達が、ホスト・
ファミリーを引き受けてくださるご近所のお宅に泊まり、毎日、毎日ちがったお家で素晴らしいランチとディナーをご馳走になりながら、3日間好きなだけリハーサルをするのです。
そして、いざ、コンサートの週。 今年のテーマは、「バイオリンの詩人」。
ベテランのチョーリャン・リン、ドイツの希望の星ベロニカ・エベルレ、エリザベート・コンクール優勝ホヤホヤのロシアのバラノフ、アメリカの才能あふれるケネス君、ベルリン・フィルのコントラバス奏者ディクソンさん、日本からは、ハイフェッツの愛弟子だった亀井由紀子さん、そしてチェロのハイモビツによる、素晴らしいコンサートが4日間にわたり繰り広げられました。
素晴らしい音楽家たち、地域の心暖まるボランティア・ケア、姉の行動力が見事に調和して、今年の音楽祭も大成功のうちに幕を閉じました。
そして、今年は姪のカリンも初めて本格的に参加。母 麻里との連弾やデビューCDにも収録されているモーツァルトのコンチェルトを演奏。
私の大好きな、素晴らしいバイオリニスト、チョーリャン・リンと。
モーツアルト、ラヴェルを演奏させていただいたあとで
そのあと
とはいえ…やはり、新しいシーズンが始まる前には少し休暇が必要。
数日サンフランシスコに残り、ピアノを離れて街を観光や、姉が案内してくれた
美味しいステーキなどを楽しみました。
海岸を歩きながら夏を振り返り、ゆとりのある夏休みシーズンに、好きな音楽仲間と集まって自然の流れのなかで音楽する楽しさを改めて考えながら、ふと思うのです。
演奏する立場からも聴く立場からも、こういう時間は、とても特別で意義深い体験。
日本ならではの、夏の室内楽音楽祭も、きっと美しい自然の中で、色々な可能性があって、素敵でしょうね。
是非、近いどこかで独自の音楽祭を実現してみたいと願っています…
音楽祭のショット
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このピアノ、どこにあると思いますか?
パリの駅です。
ちなみにナントの駅でも。
フランスの鉄道が”芸術を駅に!”というコンセプトで始めたプロジェクト。
2年前に始まりましたが大人気で、今はフランス中のあちこちの駅にピアノが置いてあり、誰でも弾くことができます。
ピアノを触ってみたかった子供、久しぶりに演奏してみる大人、ジャズを弾く高校生、そして、何となくその周りに集まるお客さん…。
駅の中で流れる音楽を通じて、雰囲気がなごみ、友情が生まれ、幸せを呼びます。
皆さんもフランスの駅で、気軽なピアノの音を楽しみませんか?
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Swing and Dance @ Folles Journees, Nantes
今年2月、毎年参加しているラ・フォル・ジュルネ音楽祭が20周年を迎えました。
ある日ロックコンサートに行き衝撃を受けた天才プロデューサー、ルネ・マルタンが、これだけたくさんの人々にクラシック音楽の素晴らしさをわかってもらえたらという願いを込めて、フランスの港町ナントで始めた音楽祭です。
初めてクラシックを聴く人にも無理がないように、45分程度の短いプログラムをいくつも用意し、同じ建物の中のあちこちのホールで、朝から晩まで常に演奏会を楽しめるようにしました。
入場料も安くして、気軽にコンサートを聴いてもらおうというアイディア。一流の演奏者たちも、この考えをサポートし、みんな喜んで参加したそうです。
20年たった今、5日間にわたって開催されるようになったばかりではなく、スペイン、ブラジル、そして、ゴールデンウィークには東京、琵琶湖、新潟、鳥栖、金沢でも行われる大人気の音楽祭になりました。
そのラ・フォル・ジュルネ。今年のテーマは、アメリカ。
アメリカの作曲家とは今までご縁がなかったので、今年はとてもチャレンジング。私が演奏したのは、二つのプログラムでした。
一つ目は、姉の麻里と2台のピアノでバーバーやアダムスの作品。アダムスの音楽はアメリカのポップ・カルチャーなどに影響を受けたかと思われる、レペティティブ(反復する)音楽です。一つのモチーフが20分近く繰り返され、微妙に変化していく楽曲。2台のピアノが入れ子になるように書かれていて、少しでも数え間違えると歯車が噛み合わなくなり、大変な事に!…という緊張感もありますが、やはりよく一緒に弾いている姉。本番はびっくりするほどバッチリと合いました。
二つ目は、スペインの素晴らしいピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスと2台のピアノ。これは姉とはまた違うプログラム。バーンシュタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』、クーパーの音楽から影響された、コープランド作曲の『ダンツォン・クバーノ』。そして、サンバを含む、ミヨーの『スカラムーシュ』と、スイングの大きい曲ばかり。サンバやマンボといった、南アメリカの揺れるようなダンス、変拍子、葉巻を吸って楽しむ、クーパーの雰囲気…メヌエットやワルツといったダンスで育った私には、これを理解するのが本当に難しい!一緒に弾いたルイス・フェルナンドは、さすがスペインの文化からも近いだけもあって、サンバやマンボは自然に体に入っていて、大得意!「何か上品過ぎるような気がする…もっと、スイングしよう!」などと、この独特な雰囲気とリズム感を何とか私に理解させようと、踊り、歌い、クーバーのフィルムを見せてくれたり、民謡を聞かせてくれたり…そのうち、私にとっては慣れなかったリズムも体に入り、引き込まれ、本番ではすっかり乗って、楽しむことの出来るコンサートになりました!
演奏後:一緒に演奏したルイス・フェルナンド・ペレスと、自分の演奏会の後に駆けつけてくれたイスラエルのピアニスト、イド・バルシャイ
新年あけましておめでとうございます。
皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
私は昨年の秋に新しいCDをECMより発売、初めてヘルシンキで演奏した後、ルツェルン音楽祭と東京のオペラシティーホールで、ドビュッシー、そして細川俊夫先生の新しいエチュード集の初演をさせて頂きました。
年末はパリで過ごしましたが、大掃除をして、信州の方が送ってくださったおそばをいただき、フランス人の友人宅でフォアグラとシャンペンで祝った後、お正月はお雑煮をしました。
今年は家族と一緒ではなかったのですが、やはり、おせちがないと一年の始まりに気合が入らないので、自分なりのミニおせちを作ってみました。
このようになりましたが、後でお箸の向きが間違っていた事に気が付き…でも既に手遅れ…もうお料理を食べてしまったあとでしたので、写真の撮り直しができませんでした。
という事であしからず!
今年も皆様にとって素晴らしい年になりますよう、心よりご多幸をお祈り申し上げます。
児玉桃
”ドーフィネ地方(仏東南部)のアルプス、オワザンチク。ラ・メージュの高峰へ、その三つの氷河を目指して昇っていく…。”
20世紀を代表する作曲家の一人、オリビエ・メシアンの代表作の一つ”鳥のカタログ” 1曲目『キバシガラス』の解説文の冒頭です。 今年の夏は、まさにその、ラ・メージュで行われている「メシアン音楽祭」のオープニングコンサートで『キバシガラス』を弾きました。 朝起きて、ホテルの私の部屋の窓から見えた景色は まさしくメシアンの解説に出てくる景色そのもの! コンサート直前の、最高のインスピレーションとなりました!
July 31, 2013 ”目をきちんと開きましょう”というのは、取材で撮影される時には自分でも意識してきました。 そうです、これは確かにワタクシでございます! 自転車大国オランダということで、私も自転車で撮影に向かいましたが、あちらの自転車の大きさは、なんとオランダ人サイズのXXL!なかなか足がペダルに届かず大変でした。 カメラマンは、沢山の有名なクラシック音楽家を撮影しているオランダの写真家、マルコ・ボルググレーべさん。 撮る写真にもその暖かい人柄が出ていますが、同時に、音楽家一人一人の特徴、一瞬の表情をとらえ、さらにそれに合った雰囲気を見事に作り出します。 写真家のマルコ・ボルグレーべ氏と、ヘア・メイクのサンネさん マルコさんのサイト July 19, 2013 5月29日、パリのシャンゼリゼ劇場で、芸術の世界での大イベントがありました。 100年前のちらし 録音の風景 http://www.youtube.com/watch?v=VPwHD1XyPrQ その後日本に飛び、水戸芸術館で〝ドビュッシー・シリーズ”の最終回を、ホールの素晴らしいスタッフとお客さんに暖かく見守られた中で、めでたく終了、 岐阜の素敵なクララザールでのリサイタルを終え、パリに戻りました。
18世紀の僧院とその納屋を偶然見たリヒテルが”ここで演奏をしたい”と言った事がきっかけだったそうです。 さあ、これから夏休み!…といっても、次の勉強と、メシアンフェスティバルでの演奏が待っていますが…その前にアムステルダムへ!! May 29, 2013 「ピアニストの普段の生活は、どのような一日ですか?」 良く聞かれる質問です。 この春は海を渡る旅行が多く、色々な作曲家の違った曲を沢山弾いていました。 同じ音楽祭がびわ湖でも行われるのですが、ここは、美しい湖を臨むホールで、ゆったりとした温かい雰囲気です。 音楽祭の直後には東京文化会館で、マエストロ・インバルの指揮のもと、東京都交響楽団と共にモーツァルトのコンチェルトを演奏させて頂き、今は久しぶりにゆっくりとパリの自宅で過ごしています。 今年のパリの5月は寒く、春がいたずらっぽく、顔をみせては逃げていき、いまだに暖房を入れています。 私の家の前では、年に数回アンティークの市がひらかれます。 通りがかりの女性が豚の頭の置き物を手にとって”こんなもの、必要ないのに、買うなんて馬鹿げているよね。でもどうしても買いたいから買うわ。だからお安くしておいてね!”と値切ると、”チャーミングな人には、NOとはいえないよ!”なんて、いかにもフランス人らしい、会話が飛び交っています。 ピアニストの生活は、少なくともも私の場合、意外と普通の生活なのです! April 1, 2013 南米のボゴタから、32時間の旅行をして、やっと東京に到着、 翌日から名古屋でリハーサル。
ツアーで移動の新幹線で。ふだん何もない上の棚は、楽器で一杯です! April 1, 2013 日本で桜が咲いていた時期は、私にとってはベートーヴェンの時期でした。 リサイタル、室内楽、コンチェルトと”ベートーヴェンづくし”でしたが、1人の作曲家によるさまざまな形式、時代の曲を弾くことは大変興味深く、作曲家をグローバルに体験することが出来ます。 まずはコーヒーの国、南米コロンビアの首都ボゴタで、第一回国際音楽祭に参加してきました。 ホテルのエレベータのデザインもさすが。コーヒー豆が! リサイタルの他、大好きなバイオリニスト、オーギュスタン•デュメーさんとのデュオ、そして元気あふれるアムステルダム・シンフォ二エッタ(ファン・アルペン氏指揮)とのコンチェルトと、4日間毎日弾いていました。 オーギュスタン・デュメーさんと楽屋で 南米のお客さんはとても熱狂的。ホール中が笑顔とスタンディング・オベーションでとても盛りあがります。 音楽を演奏する私たちは、演奏する曲目について、つい色々と細かい事を考えすぎるところがありますが、コロンビアの人々のように、生まれて初めて生命力溢れるベートーヴェンを聴いた時の感動、その新鮮な気持ちこそが、何に対してももっとも大事なことだと思ってしまいました。 ボゴタは標高2600メートルと高いところにあり、到着した日は気圧に慣れるまで、皆フラフラしたり、めまいがしたりしていました。 コカ茶。 「これは麻薬のコカインではないですよね?」と冗談半分に言うと、「そうですよ!」との返事‼ これから、30時間かけて、ボゴタから東京に飛びます。 March 17, 2013 ****************
今日はちょっとした〝舞台裏”のお話です。 ピアニストと調律師の、音に対する「こだわり」と「趣味」が一致するのが理想的ですが、 執行さんは完璧な調律だけでなく、「 舞台の上のどこにピアノを置くか」にまで気を使って下さいます。 ピアノを置く場所が1センチ違うだけでも、また、下についている輪の方向が違うだけでもホールでの響きが変わります。 そしてホールにお客様がいるか、いないかで驚くほどガラッと変わる事があります。 今回のリサイタルでは、注目の作曲家であり、最近ベルギーで行われているエリザベート国際コンクールの優勝者でもある、 酒井健治さんの作品も演奏しました。 この曲を演奏するには、譜めくりをして下さる方が必要です。 めくるタイミングが早すぎたり遅すぎたりすると気になり、 演奏になかなか集中できなくなってしまいます。 友人のピアニストは、室内楽を専門に弾いていると必ず”フメクリストさん”にお世話になることになるので、本が一冊書けるほど色々な体験をしたと話していました。 めくり忘れるおじ様、めくる時に胸が邪魔になったグラマーな美女、めくる度にトウガラシみたいな真っ赤な何かがチラホラと見えるお姉さま(=爪の事でした)、デオドラントを差し上げたくなった青年…などなど。 今回、酒井さんの曲は、宮崎音楽祭で私の講習会に参加していた陣内さんに譜めくりをして頂きましたが、隣にいることすら忘れてしまうような、完璧な譜めくり、完璧なタイミングでした。 コンサート成功の舞台裏では、こんなふうに見えないところで、いろんな方々に助けていただいています! 調律師の執行さんと、マネージャーの小川さん。 この日、お二人は偶然にも同じズボンでした。 March 12, 2013 このホールの壁は過去100年間、この曲の名演奏をさぞ沢山聴いてきたことでしょうね…” 歴史あるホールを訪れる時にはいつでもそうですが、いかに歴史的な演奏家がこれまでそこで弾いてきたかを思うと、その壁から、そこはかとないVIBRATIONを感じます。 逆に、東京初台にあるオペラシティーの武満メモリアルホールが完成した時には、お客さんが入る前に、ホールを満席にした状態で、初めて生の音を出す瞬間に参加させていただきました。 どのホールにも自身の“歴史”があって、色々と個性があって、弾かせていただく時も、お客さんとして行っても、様々なことを感じます。
この数年間、こちらのホールでは、小澤先生とのコンサートをはじめ、色々な企画で弾かせていただいています。素晴らしいスタッフのWELCOMEもあり、とてもアットホームに感じる場所です。 その第1回目が、昨年の3月3日でしたが、 吉田先生は1913年生まれ、DEBUSSYは1918まで生きていましたので、現代のようにインターネットがある時代だったら、もしかすると交流もあったかもしれません。なにか歴史の中に架けられたとても長いアーチのようなものを感じます。 February 22, 2013 パリの地下鉄に乗っていたら、こんな張り紙を見つけました:
有名な俳優さん、女優さん、歌手さんが、それぞれに知る限り一番悲しい歌を歌い、詩を読み上げる。 そして協賛が: 人生を楽しむのが上手なフランス人は、この時期あらゆる理由で〝落ち込みやすい気分”も、ほんの少しユーモアを持って、芸術的に、そして、軽やかに演じきるのです! ちなみに、フランスの有名な画家マネはこの〝フォリー・ベルジェールのバー”の絵を描いています。 February 11, 2013 パリから東京に着く日は大雪の予報があり、もこもこのコート、ブーツに襟巻、帽子をかぶって、お月さんに出かけるような格好で到着しました。 ところが東京は晴れ。気温も15度と、少々調子抜けしましたが、パリではめったにない青空を楽しみながら、リハーサルに行きました。 今回は、上野にある東京文化会館で,東京都交響楽団の素晴らしい音楽家たちとの室内楽。 演目はフランスの印象派の作曲家、ドビュッシー、ラヴェル、ショーソンでした。 一緒に演奏した弦楽四重奏団のニックネームは〝パウゼ・カルテット”。 練習熱心で有名なこのカルテットにとっては、その間にとる、パウゼ〔休憩)もとても大事。そしていつも、こんなふうに沢山の珍しいお菓子やおつまみが並ぶ、楽しいコーヒータイムなのでした。 そして! 尊敬申し上げていて、大好きなイケバナ・アーティストの假屋崎省吾先生から、楽屋に素晴らしいお花が届きました。 假屋崎 先生の展示会は、パリでも東京でもよく見せていただきますが、その天才的な、”美”に対する感性からはいつもインスピレーションを受けます。 少し紫みを帯びた、深みのある薄紅の薔薇「ショウゴエレガン」の心温まる芸術作品で、殺風景な楽屋は、パーッと明るく、文字通り〝花が咲いたように” なりました! コンサート本番では、楽しく弾かせていただき、その後は、楽屋でシャンパンを開けて、打ち上げをしました!乾杯!! 横山さん、小林さん、及川さん、吉岡さん、長谷部さん February 8, 2013 2月はいつも、ナントのフォルジュルネー音楽祭と共に訪れます! 今回は、姉も初めてフォルジュルネーに参加して、ピアノ・デュオを演奏することになりました。 それが思いがけないハプニングに! とにかくマネージャー同士が連絡を取り合い、こちらは急遽マイクを持って、状況を客席にアナウンス。電車の中で舞台衣装に着替え、会場に駆けつける姉を待つ間、メシアンなど、ソロの曲を弾いて待ちました。 5月にはまた、同じ音楽祭で、東京と琵琶湖でも弾きます。是非いらして下さいね! February 1, 2013 1月は珍しくパリで雪が積もりました。そんななか、心を温めるためにパリ人は良く展覧会に出かけます。 今月、非常に印象深かったのは、なんとすべて日本からきたものでした! ひとつめは、マドレーヌ広場のピナコテークで開催された「ヒロシゲ・ヴァンゴッホ展」。 建物のひとつでは、ふたりの絵を照らし合わせ、ゴッホがどれだけヒロシゲに影響されたかをみる企画。 ヒロシゲの木の繊細なラインが、”ゴッホ風”では、激しい響状になる…。 それはそれなりに興味深いものでしたが、その後にもうひとつの建物で見た、ヒロシゲの浮世絵がずらりとならんだ展示会は、特に感動しました。 ヒロシゲはシューベルトと同じ1797年生まれです。シューベルトは歌曲などを通して「旅人」の思いや考えを音楽をとおして表現していますが、日本ではヒロシゲが「旅人」をテーマに、日本の美しい自然を讃えていたのですね。 ふたつめは、ルーブル美術館で。彫刻家、新宮晋による映画が放映されました。 新宮さんは母方の親戚ですが、「風の詩人」といわれていて、関西空港の天井、銀座のエルメスの前、国立音楽大学の鐘などなど…世界中に、風に乗ってくるくるまわる作品があります。最近では、パリのチュルリー公園にも展示されました。 チュイルリー公園の、”光のシンフォニエッタ” 新宮さんは幼い頃、お風呂に入っても水でいろいろ実験したり、外へ行くと風で遊んだそうですが、70歳になられた現在でも、友人の建築家、レンゾ・ピアノ氏曰く、彼は「7かける10歳」で、常に夢をもってそれを実現する人なのだそうです。 パリで新宮晋さんと January 1, 2013 I wish you from my heart a very inspired New Year! Momo Kodama To my Japanese friends: 明けましておめでとうございます。 皆様にとって、新しい一年がひらめきに満ちた年でありますよう、心からお祈り 申し上げます。 一年のスタートにはいつでも、「今年こそ!」と思うことが沢山ありますが、今 年はその中から、簡単な"お便り"を始めさせていただくことにしました。 色々な場所で体験したこと、思ったことなどを、この場で皆さんにお伝えできれ ばと思っています! 児玉桃 外国育ちの姉と私に、母が「日本の伝統を伝えなくては」と、お正月にはいつもおせ ちとお雑煮を作ってくれます。 Zōni (雑煮), a soup of mochi rice cakes in broth. First thing to eat on New Year day. Each dish has its meaning-this is how 2013 started ! |