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ラ・ロックダンテロン(南フランス) パリに戻ると、早速スペインから、ピアニストのルイス・フェルナンド・ペレスが 到着。 プロヴァンスの奥座敷とよばれるラ・ロックダンテロン音楽祭で弾く「2台のピアノのプログラム」の練習開始です。この音楽祭は、「ピアノのメッカ」とよばれ、世界中からピアニストが集まる大きな野外コンサート。 練習は、エアコン取り付け不可能なパリの我が家で。ゆで蛸になりながらふたり、 アイスクリームとコカコーラで乗りきりました。 さすが、カルメンと闘牛の国からきたルイス。本番になると、その血の燃えたぎる情熱が登場! 夕方になると、蝉や鳥の声もまじり、自然と一体となって音楽が流れ、 夏休みですっかりリラックスしたお客様も音楽を楽しむ ポミエー音楽祭 その数日後は若手音楽家、ラ・マルカ兄弟が主催するリヨンの近くの小さな村の修道院で、「音楽を楽しむ週末」。10世紀に建った古い壁に響くモーツァルトやベートーヴェンを楽しみ、夜は、その地方で作られたワインと食事を皆で楽しむのです。 アーティストの送迎から切符の手配まで、兄弟のファミリーや友人が受け持っての手作り音楽祭。 エアコンがないため湿気も多く、本番中にヴィオラの弦がプチンと切れてしまい演奏中断。 こういうハプニングも全て含め、お客様は楽しんでいたようです。 サンフランシスコ 姉の麻里と主人のケント・ナガノの家はここにあるのですが、留守にすることが多いので…と、普段お世話になってるご近所さんへの感謝の気持ちから始めたのが、この音楽祭です。 音楽の都ウイーンからウィーン・フィルのメンバーを集め、近くのクラブ・ハウスで「音楽の贈り物」(音楽祭)を主催しています。当初一回きりのつもりだったのですが、皆さんのリクエストでリピート。なんと今年で8回目を迎えました。 それからは、ヨーロッパのあちこちから集まった友人の音楽家達が、ホスト・ ファミリーを引き受けてくださるご近所のお宅に泊まり、毎日、毎日ちがったお家で素晴らしいランチとディナーをご馳走になりながら、3日間好きなだけリハーサルをするのです。 そして、いざ、コンサートの週。 今年のテーマは、「バイオリンの詩人」。 ベテランのチョーリャン・リン、ドイツの希望の星ベロニカ・エベルレ、エリザベート・コンクール優勝ホヤホヤのロシアのバラノフ、アメリカの才能あふれるケネス君、ベルリン・フィルのコントラバス奏者ディクソンさん、日本からは、ハイフェッツの愛弟子だった亀井由紀子さん、そしてチェロのハイモビツによる、素晴らしいコンサートが4日間にわたり繰り広げられました。 素晴らしい音楽家たち、地域の心暖まるボランティア・ケア、姉の行動力が見事に調和して、今年の音楽祭も大成功のうちに幕を閉じました。 そして、今年は姪のカリンも初めて本格的に参加。母 麻里との連弾やデビューCDにも収録されているモーツァルトのコンチェルトを演奏。 私の大好きな、素晴らしいバイオリニスト、チョーリャン・リンと。 モーツアルト、ラヴェルを演奏させていただいたあとで そのあと とはいえ…やはり、新しいシーズンが始まる前には少し休暇が必要。 数日サンフランシスコに残り、ピアノを離れて街を観光や、姉が案内してくれた 美味しいステーキなどを楽しみました。 海岸を歩きながら夏を振り返り、ゆとりのある夏休みシーズンに、好きな音楽仲間と集まって自然の流れのなかで音楽する楽しさを改めて考えながら、ふと思うのです。 演奏する立場からも聴く立場からも、こういう時間は、とても特別で意義深い体験。 日本ならではの、夏の室内楽音楽祭も、きっと美しい自然の中で、色々な可能性があって、素敵でしょうね。 是非、近いどこかで独自の音楽祭を実現してみたいと願っています… 音楽祭のショット
************************************** このピアノ、どこにあると思いますか? パリの駅です。 ちなみにナントの駅でも。 フランスの鉄道が”芸術を駅に!”というコンセプトで始めたプロジェクト。 2年前に始まりましたが大人気で、今はフランス中のあちこちの駅にピアノが置いてあり、誰でも弾くことができます。 ピアノを触ってみたかった子供、久しぶりに演奏してみる大人、ジャズを弾く高校生、そして、何となくその周りに集まるお客さん…。 駅の中で流れる音楽を通じて、雰囲気がなごみ、友情が生まれ、幸せを呼びます。 皆さんもフランスの駅で、気軽なピアノの音を楽しみませんか? ************************************** Swing and Dance @ Folles Journees, Nantes 今年2月、毎年参加しているラ・フォル・ジュルネ音楽祭が20周年を迎えました。 ある日ロックコンサートに行き衝撃を受けた天才プロデューサー、ルネ・マルタンが、これだけたくさんの人々にクラシック音楽の素晴らしさをわかってもらえたらという願いを込めて、フランスの港町ナントで始めた音楽祭です。 初めてクラシックを聴く人にも無理がないように、45分程度の短いプログラムをいくつも用意し、同じ建物の中のあちこちのホールで、朝から晩まで常に演奏会を楽しめるようにしました。 入場料も安くして、気軽にコンサートを聴いてもらおうというアイディア。一流の演奏者たちも、この考えをサポートし、みんな喜んで参加したそうです。 20年たった今、5日間にわたって開催されるようになったばかりではなく、スペイン、ブラジル、そして、ゴールデンウィークには東京、琵琶湖、新潟、鳥栖、金沢でも行われる大人気の音楽祭になりました。 そのラ・フォル・ジュルネ。今年のテーマは、アメリカ。 アメリカの作曲家とは今までご縁がなかったので、今年はとてもチャレンジング。私が演奏したのは、二つのプログラムでした。 一つ目は、姉の麻里と2台のピアノでバーバーやアダムスの作品。アダムスの音楽はアメリカのポップ・カルチャーなどに影響を受けたかと思われる、レペティティブ(反復する)音楽です。一つのモチーフが20分近く繰り返され、微妙に変化していく楽曲。2台のピアノが入れ子になるように書かれていて、少しでも数え間違えると歯車が噛み合わなくなり、大変な事に!…という緊張感もありますが、やはりよく一緒に弾いている姉。本番はびっくりするほどバッチリと合いました。 二つ目は、スペインの素晴らしいピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスと2台のピアノ。これは姉とはまた違うプログラム。バーンシュタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』、クーパーの音楽から影響された、コープランド作曲の『ダンツォン・クバーノ』。そして、サンバを含む、ミヨーの『スカラムーシュ』と、スイングの大きい曲ばかり。サンバやマンボといった、南アメリカの揺れるようなダンス、変拍子、葉巻を吸って楽しむ、クーパーの雰囲気…メヌエットやワルツといったダンスで育った私には、これを理解するのが本当に難しい!一緒に弾いたルイス・フェルナンドは、さすがスペインの文化からも近いだけもあって、サンバやマンボは自然に体に入っていて、大得意!「何か上品過ぎるような気がする…もっと、スイングしよう!」などと、この独特な雰囲気とリズム感を何とか私に理解させようと、踊り、歌い、クーバーのフィルムを見せてくれたり、民謡を聞かせてくれたり…そのうち、私にとっては慣れなかったリズムも体に入り、引き込まれ、本番ではすっかり乗って、楽しむことの出来るコンサートになりました! 演奏後:一緒に演奏したルイス・フェルナンド・ペレスと、自分の演奏会の後に駆けつけてくれたイスラエルのピアニスト、イド・バルシャイ
ラ・ロックダンテロン(南フランス) パリに戻ると、早速スペインから、ピアニストのルイス・フェルナンド・ペレスが 到着。 プロヴァンスの奥座敷とよばれるラ・ロックダンテロン音楽祭で弾く「2台のピアノのプログラム」の練習開始です。この音楽祭は、「ピアノのメッカ」とよばれ、世界中からピアニストが集まる大きな野外コンサート。 練習は、エアコン取り付け不可能なパリの我が家で。ゆで蛸になりながらふたり、 アイスクリームとコカコーラで乗りきりました。 さすが、カルメンと闘牛の国からきたルイス。本番になると、その血の燃えたぎる情熱が登場! 夕方になると、蝉や鳥の声もまじり、自然と一体となって音楽が流れ、 夏休みですっかりリラックスしたお客様も音楽を楽しむ ポミエー音楽祭 その数日後は若手音楽家、ラ・マルカ兄弟が主催するリヨンの近くの小さな村の修道院で、「音楽を楽しむ週末」。10世紀に建った古い壁に響くモーツァルトやベートーヴェンを楽しみ、夜は、その地方で作られたワインと食事を皆で楽しむのです。 アーティストの送迎から切符の手配まで、兄弟のファミリーや友人が受け持っての手作り音楽祭。 エアコンがないため湿気も多く、本番中にヴィオラの弦がプチンと切れてしまい演奏中断。 こういうハプニングも全て含め、お客様は楽しんでいたようです。 サンフランシスコ 姉の麻里と主人のケント・ナガノの家はここにあるのですが、留守にすることが多いので…と、普段お世話になってるご近所さんへの感謝の気持ちから始めたのが、この音楽祭です。 音楽の都ウイーンからウィーン・フィルのメンバーを集め、近くのクラブ・ハウスで「音楽の贈り物」(音楽祭)を主催しています。当初一回きりのつもりだったのですが、皆さんのリクエストでリピート。なんと今年で8回目を迎えました。 それからは、ヨーロッパのあちこちから集まった友人の音楽家達が、ホスト・ ファミリーを引き受けてくださるご近所のお宅に泊まり、毎日、毎日ちがったお家で素晴らしいランチとディナーをご馳走になりながら、3日間好きなだけリハーサルをするのです。 そして、いざ、コンサートの週。 今年のテーマは、「バイオリンの詩人」。 ベテランのチョーリャン・リン、ドイツの希望の星ベロニカ・エベルレ、エリザベート・コンクール優勝ホヤホヤのロシアのバラノフ、アメリカの才能あふれるケネス君、ベルリン・フィルのコントラバス奏者ディクソンさん、日本からは、ハイフェッツの愛弟子だった亀井由紀子さん、そしてチェロのハイモビツによる、素晴らしいコンサートが4日間にわたり繰り広げられました。 素晴らしい音楽家たち、地域の心暖まるボランティア・ケア、姉の行動力が見事に調和して、今年の音楽祭も大成功のうちに幕を閉じました。 そして、今年は姪のカリンも初めて本格的に参加。母 麻里との連弾やデビューCDにも収録されているモーツァルトのコンチェルトを演奏。 私の大好きな、素晴らしいバイオリニスト、チョーリャン・リンと。 モーツアルト、ラヴェルを演奏させていただいたあとで そのあと とはいえ…やはり、新しいシーズンが始まる前には少し休暇が必要。 数日サンフランシスコに残り、ピアノを離れて街を観光や、姉が案内してくれた 美味しいステーキなどを楽しみました。 海岸を歩きながら夏を振り返り、ゆとりのある夏休みシーズンに、好きな音楽仲間と集まって自然の流れのなかで音楽する楽しさを改めて考えながら、ふと思うのです。 演奏する立場からも聴く立場からも、こういう時間は、とても特別で意義深い体験。 日本ならではの、夏の室内楽音楽祭も、きっと美しい自然の中で、色々な可能性があって、素敵でしょうね。 是非、近いどこかで独自の音楽祭を実現してみたいと願っています… 音楽祭のショット
************************************** このピアノ、どこにあると思いますか? パリの駅です。 ちなみにナントの駅でも。 フランスの鉄道が”芸術を駅に!”というコンセプトで始めたプロジェクト。 2年前に始まりましたが大人気で、今はフランス中のあちこちの駅にピアノが置いてあり、誰でも弾くことができます。 ピアノを触ってみたかった子供、久しぶりに演奏してみる大人、ジャズを弾く高校生、そして、何となくその周りに集まるお客さん…。 駅の中で流れる音楽を通じて、雰囲気がなごみ、友情が生まれ、幸せを呼びます。 皆さんもフランスの駅で、気軽なピアノの音を楽しみませんか? ************************************** Swing and Dance @ Folles Journees, Nantes 今年2月、毎年参加しているラ・フォル・ジュルネ音楽祭が20周年を迎えました。 ある日ロックコンサートに行き衝撃を受けた天才プロデューサー、ルネ・マルタンが、これだけたくさんの人々にクラシック音楽の素晴らしさをわかってもらえたらという願いを込めて、フランスの港町ナントで始めた音楽祭です。 初めてクラシックを聴く人にも無理がないように、45分程度の短いプログラムをいくつも用意し、同じ建物の中のあちこちのホールで、朝から晩まで常に演奏会を楽しめるようにしました。 入場料も安くして、気軽にコンサートを聴いてもらおうというアイディア。一流の演奏者たちも、この考えをサポートし、みんな喜んで参加したそうです。 20年たった今、5日間にわたって開催されるようになったばかりではなく、スペイン、ブラジル、そして、ゴールデンウィークには東京、琵琶湖、新潟、鳥栖、金沢でも行われる大人気の音楽祭になりました。 そのラ・フォル・ジュルネ。今年のテーマは、アメリカ。 アメリカの作曲家とは今までご縁がなかったので、今年はとてもチャレンジング。私が演奏したのは、二つのプログラムでした。 一つ目は、姉の麻里と2台のピアノでバーバーやアダムスの作品。アダムスの音楽はアメリカのポップ・カルチャーなどに影響を受けたかと思われる、レペティティブ(反復する)音楽です。一つのモチーフが20分近く繰り返され、微妙に変化していく楽曲。2台のピアノが入れ子になるように書かれていて、少しでも数え間違えると歯車が噛み合わなくなり、大変な事に!…という緊張感もありますが、やはりよく一緒に弾いている姉。本番はびっくりするほどバッチリと合いました。 二つ目は、スペインの素晴らしいピアニスト、ルイス・フェルナンド・ペレスと2台のピアノ。これは姉とはまた違うプログラム。バーンシュタインの『ウエスト・サイド・ストーリー』、クーパーの音楽から影響された、コープランド作曲の『ダンツォン・クバーノ』。そして、サンバを含む、ミヨーの『スカラムーシュ』と、スイングの大きい曲ばかり。サンバやマンボといった、南アメリカの揺れるようなダンス、変拍子、葉巻を吸って楽しむ、クーパーの雰囲気…メヌエットやワルツといったダンスで育った私には、これを理解するのが本当に難しい!一緒に弾いたルイス・フェルナンドは、さすがスペインの文化からも近いだけもあって、サンバやマンボは自然に体に入っていて、大得意!「何か上品過ぎるような気がする…もっと、スイングしよう!」などと、この独特な雰囲気とリズム感を何とか私に理解させようと、踊り、歌い、クーバーのフィルムを見せてくれたり、民謡を聞かせてくれたり…そのうち、私にとっては慣れなかったリズムも体に入り、引き込まれ、本番ではすっかり乗って、楽しむことの出来るコンサートになりました! 演奏後:一緒に演奏したルイス・フェルナンド・ペレスと、自分の演奏会の後に駆けつけてくれたイスラエルのピアニスト、イド・バルシャイ